何度も来店したい店舗設計をするうえで照明デザインの選び方は重要なポイントです。
同じ店舗でも明るい照明で清潔感のある空間にするか、落ち着いた雰囲気を出すために暗めに設定するかで印象が全く異なります。
店舗のコンセプトに沿って最適な照明デザインを選ぶことで売上にも大きな影響があります。
今回は、店舗に合った照明デザインの選び方や必要な明るさや色温度などを解説していきます。
店舗照明を選ぶポイント
店舗照明によって雰囲気の良さや料理の見た目などが変わります。
最近では来店するお客様がSNSなどで写真を投稿することも当たり前になっており店舗照明は売上にも大きく影響するといえます。
店舗ごとに適切な照明を選ぶポイントとして「照度」「色温度」「演出性」の3点に絞って紹介します。
照度
照度とは照明の明るさのことで単位はルクス(lx)で表します。
店舗の照明は単に明るければいいというわけではありません。
例えば飲食店の適切な明るさはJIS照度によって基準が決められており、トイレ200ルクス、階段150ルクス、調理室500ルクスなど同じ店舗内でも最適な照度は異なることを覚えておきましょう。
ファミレスなどは明るめの500-700ルクス、落ち着いた雰囲気のバーでは100ルクス程度必要になりますが、暗くしすぎると食器を落としたり転倒の原因になります。
お客様の負担を減らすためにも最適な照度をしっかり確認することが大切です。
色温度
色温度は光を見たときに感じる色見のことで単位はケルビン(K)を用います。
色温度が低いと赤みがかった色に、高くなると青みがかった色になります。
店舗によって色温度を調整する必要があり、オフィスなどの集中したい空間では5000K程度の昼白色が適しており、飲食店などのリラックスできる空間では低めの2000-3000Kが良いとされています。
色温度の設定を間違えてしまうと集中できなかったり、リラックスできずに長時間滞在するのが苦痛になってしまう恐れがあるので注意しましょう。
演出性
演出性は商品が太陽光に当たった時の状態をどの程度再現できるかを表しています。
単位は(Ra)と示し、一般的な蛍光灯のRaは60程度あり、100Raが自然光と最も近く、それぞれ適した演出性を再現することが出来ます。
演出性を効果的に用いることで、商品やサービスの印象もよくなるので大切なポイントになります。
また、飲食店では演出性の高い照明を使えば食材の鮮度もよく映り料理が美味しそうにみえたり、写真を撮影する時も料理がとても綺麗に写りやすくなりSNS映えすることにも繋がります。
他にも、美容室ではお客様のヘアカラーの確認に高い演出性が求められたりするので、適切な演出性を満たしていきましょう。
演出性が空間に適していない場合は雰囲気が違って見えてしまい、お客様に満足していただけない可能性があるので注意しましょう。
まとめ
照明の明るさや色温度も大切ですが演出性も取り入れることで、質の良い空間を作り出すことができます。
大切なのは店舗に合った照明デザインにすることです。
極端に暗くするなどしてしまうと作業性が悪くなるだけではなく、法律に触れる可能性もあるので、営業時間や地域による制限などもしっかり確認しておきましょう。