店舗を開業する際には、内装制限を守る必要があります。
内装制限は、火災などを防止するために重要な役割を持っており、店舗デザインを設計する際に違反をしてしまうとスムーズに開業することができません。
今回は、店舗を火災から守るための内装制限の概要や緩和措置などを解説します。
店舗の内装制限とは
内装制限は建物を火災から守るための法律であり、消防法と建築基準法によってルールが決められています。
内装制限では消防設備の設置や防火材料の使用、天井などの高さ、避難経路の確保などが定められているため、自由に内装デザインをしてしまうとトラブルになる可能性があります。
内装制限に違反をすると工事が出来ない場合や開業ができなくなり罰則を支払うことになるかもしれないため、しっかりと理解しておくことが大切です。
内装制限を守るための材料
建築基準法で定められた防火材料は難燃材料、準不燃材料、不燃材料の3種類があります。
防火材料は、避難経路を確保するために、火災の発生や拡散を防ぐ効果があり、それぞれ火災の開始時間までの長さが異なります。
難燃材料
難燃材料は、通常の火災時に5分間燃焼しないこと、変形や融解などが生じないこと、有害な煙やガスが発生しないことが条件の材料です。
防火材料の中では最も火に弱く、具体的には7mm以上の石膏ボードや5.5mm以上の難燃合板などがあります。
準不燃材料
準不燃材料は、火災開始後10分間は燃焼しないこと、亀裂や損傷をしないこと、有害な煙が発生しないことなどが条件になります。
一般的には、木毛セメント板やセルロースファイバーが当てはまります。
不燃材料
不燃材料は、火災の発生時に20分間は燃焼しないこと、そして難燃材料や準不燃材料と同様に変形や亀裂が生じないことや有害なガスが発生しないことが条件となっています。
主な材料としてコンクリートや瓦、鉄鋼、石などがあり、建蔽率の緩和などの利点があります。
内装制限を緩和するポイント
店舗デザインを自由に設計する場合には、ある程度内装制限を緩和することも重要になります。
天井の高さを6メートル以上にして不燃材料を使用することで内装制限の対象から外れることができます。
床から天井までの距離が近いほど、火災の発生時に燃え広がりやすいため、天井の高さを確保することで店舗を火災から守る対策をすることが可能です。
まとめ
店舗の内装デザインを設計する時には、内装制限を守ることが大切です。
自由に内装デザインを決めてしまうと、一からやり直すことになってしまうためデザイン会社などの専門家に依頼して相談をしながら店舗設計を進めていくことが大事です。